DETAIL
作・絵:舘野鴻 偕成社 2,000 円+税 小学校低学年からツチハンミョウは、「道教え」として知られる美麗な「ハンミョウ」と異なり、 地味で目立たない控えめな虫です。その繁殖方法は独特で、4000 個の卵から生 まれる体長1ミリにも満たない小さな幼虫は、寄生先となるハチの巣にたどりつくため、いろいろな虫にとりついていきます。わずか4日という寿命の中、 種の存続のために決死の旅をする幼虫たちの道程を、緻密かつ力強いタッチで 描きます。 物語の最後では、ようやくたどり着いた巣の中で対峙する、2匹の幼虫たちが 描かれます。そのすがたは、わたしたちにいのちのあり方について考えさせま す。 ツチハンミョウについては『ファーブル昆虫記』にも記述がありますが、この本の主人公で日本固有種のヒメツチハンミョウについては、あまり知られていませんでした。著者の舘野さんは、その生態を解明すべく、8 年にも及ぶ生態調査を行ない、その一部を明らかにしました。巻末の解説では、その調査のようすや、生態のくわしいようすを、臨場感のある写真を交えながら紹介します。
衝撃のデビュー作『しでむし』や『ぎふちょう』などのうつくしい細密画で知 られる、著者渾身の新作絵本。